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『ある奴隷少女に起こった出来事』 を読む

2018.07.08.Sun.10:58
ブルースを演るなら、知っておくべき事だと思っておりますが、日本では感覚的にも理解するのが難しい事なのかもしれません。 奴隷として生まれ、生き続けた黒人女性のリアルな文章でありながらも、その奥にある更に壮絶な現実も読み取れる本だと思います。 160年前に書かれた本ですが、現在においても状況はそれほど変わっていない様に感じますが・・・。


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「ある奴隷少女に起こった出来事」
ハリエット・アン・ジェイコブズ (著)、 堀越 ゆき (翻訳)

ハードカバー : 312ページ
出版社 : 大和書房
出版日 : 2013年3月29日

― 160年前の出版当時は 「白人がセンセーショナルに書いたフィクション」 として忘れ去られましたが、20世紀末に作者ジェイコブズが実在した人物であることが分かると、これまでの評価は一変し、現在ではアメリカ古典名作の1つに数えられています。 ここまで大きな変化をもたらしたのは、「奴隷制は、黒人だけではなく、白人にとっても災いなのだ」 と諦観して闘った、奴隷少女ジェイコブズの視点にあったと思います。 ―

― ジェイコブズの人生は、こうした白人の奴隷所有者や奴隷商人、法に反して奴隷を擁護する白人、奴隷を密告する同朋の奴隷、そして時には聖職者までも、立場も思惑も異なる様々なステークホルダーたちによって翻弄されます。長く 「所有物」 として扱われた奴隷少女はいかなる信念を持ち、それをどうやって貫いたのか。本書が多くの読者から支持を得ている理由の1つは、彼女の等身大の姿が人々の強い興味を喚起し、同時に大きな感動を呼ぶからではないでしょうか。 ―


著者について
ジェイコブズ,ハリエット・アン
1813~1897。ノースカロライナ州出身の元奴隷。 幼くして両親と死に別れ、12歳で好色な医師の家の奴隷となり、性的虐待を受ける。 奴隷という運命にたったひとりで立ち向かった、自身のドラマチックな半生を、知的な文体で克明に記述した 『ある奴隷少女に起こった出来事』 を後年著す。

当時匿名で出版した事情もあり、「白人知識人が書いたフィクション」 と見なされ、長く歴史から忘れ去られていた。 しかし近年の研究により、著者が元奴隷少女のジェイコブズであり、記載された事項のほとんどが事実であると証明されると、現代人の深い共感を呼び、ベストセラーになっている.

堀越ゆき
ジョージ・ワシントン大学大学院卒。東京外国語大学卒。少女時代をアメリカ、プラハで過ごす。現在世界最大手外資系コンサルティング会社勤務 (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)







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