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ブルースとは、2

2015.10.06.Tue.00:17
神学的に考えると、黒人音楽については、黒人霊歌に啓示された事柄だけではなく、さらにそれ以上の事が語られなければならない。 確かに、大多数の黒人は、イスラエルの神が黒人の歴史に介入されて、彼らを奴隷制と抑圧から開放していたもうことを確認していた。

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だが、すべての黒人が聖書の神的約束を、黒人の実存が持つ諸矛盾への十分な答えとして受け入れることが出来たわけではない。 ある人々は、神中心の考え方を、黒人の苦難の問題に対する解決策として取り入れることを拒絶した。 むしろ彼らは、 「まったくブルーだ、みじめすぎて泣くこともできない」 と歌ったのである。

ブルースは、黒人的体験の 「世俗的」 次元を描写している。それは、 「この世的な」 歌であって、愛と性について語り、また 「わたしの厩ではねているもう一匹のラバ」 について語っている。 さらにそれには、 「黒猫の死骸」、 「麻薬患者の手」、 「わたしのあの人を盗みとろうとしている陰口たたきのおんなたち」 について語っている。 ブルースは黒人的生となまのこの世、そして極度の抑圧状況の中で生き抜こうとする底力についての歌である。



わたしが書いたこのブルース、それを私は好きなように歌おう、
わたしが書いたこのブルース、それを私は好きなように歌おう、

こんなふうに歌っているのはわたしひとりだけさ、
誓って言うが、それはほかのだれをもよろこばせはしない。



黒人霊歌とブルース―アメリカ黒人の信仰と神学 (1983年)
ジェイムズ・H.コーン (著)、 梶原 寿 (翻訳) より






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