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Blues の歴史 5

2008.04.06.Sun.20:15
ブルースの誕生



奴隷時代の黒人はアメリカ白人社会の経済に欠くべからざる存在であった。
黒人は牛や荷車のように必須の物財であり、そのようなものと同等に取り扱われた。

奴隷の生存に必要な最小限度の設備と待遇は、すべて奴隷所有者がが与えるのだから、奴隷には生活を自主的に支えるための努力も相違も意欲もいらなかったわけである。

だが、南北戦争後、数百万の黒人が奴隷解放された時、反動的に黒人の差別化が実施され、更に新しく現われた黒人隔離法(ジム・クロー)、その他の黒人排斥により過去の白人と黒人との密接な親近関係とは反対に、アメリカ社会からの黒人の疎外は倍加されてゆき、不慣れな社会の激しい生存競争の真只中で自立自存の戦いを始めなくてはならなかった。

しかしながら、奴隷解放のおかげで、人間らしい暮らしが約束されたのである。
たとえ素晴らしい白人ほどの生活でなくても。人並みの生活が出来るのである。

それに、自分一人でいられるという奴隷には絶対知られない喜びが初めて味わえた。
ミシシッピー州あたりの小作人のボロ小屋に住んでいても、自分自身でいられる余暇の時は、思いもよらなかった満足の時間である。

今まで唄えなかった歌も自分の声で自分の好きなように心ゆくまで唄えるし、皆が集まり唄って楽しむことも出来るのである。

また、自分自身で世を渡る自由も生まれた。農場から農場へ、街から街へ旅立つこともできるようになった。

黒人の生活体験の拡張と複雑化につれて、それを反映する新しい音楽が生まれなければならないのである。



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